鹿沼市末広町に10月17日、辛麺専門店「鹿沼辛麺 童(わらべ)」がオープンした。
店主の今村暖さんは熊本県出身。2023年、祖父が営んでいたコンニャク原料商社を継ぐため鹿沼市へ移住した。2024年には同店から徒歩約1分の場所に「銀座コーヒー」を開業。今回、新たに辛麺専門店を立ち上げる。
九州で育ち、幼い頃から辛い料理に親しんできたという今村さん。宮崎県の養鶏家に弟子入りした経験から食材や生産者への関心を深めた。鹿沼への移住後、人とのつながりに支えられた経験から、「飲食を通じて鹿沼をもっと盛り上げたい」と、ニラやコンニャク、栃木しゃもなど地元の食材を取り入れる。市内で食材を仕入れることで、地域内で経済が循環する店を目指すという。
店名は、鹿沼に宿場町としての歴史が残ることから、江戸時代の武家社会になぞらえた「出世制度」を店のコンセプトに取り入れ、「小童(こわっぱ)」の「童」の一文字から名付けた。
辛さも「出世」に見立て、辛さゼロの「町娘」から、「小童」「足軽」「侍」「武士」「旗本」「家老」「奉行」「大名」「老中」「将軍」「大将軍」「天下人」まで13段階を用意する。「将軍」以上は昇格制とし、「老中」をスープまで完食した客が次の階級へ挑戦できる仕組み。最高位の「天下人」達成者は、店内の「殿堂」に名前を残す予定。
辛さが増すほど単に刺激を強くするのではなく、味にも深みが出るよう和食と中華の技法を取り入れるという。4種類の唐辛子を独自にブレンドし、栃木しゃものうまみや鹿沼産ニラの甘み、鹿沼産の卵、自家製こうじなどを組み合わせる。化学調味料は使わず、辛さの中にうまみを感じられる味を目指す。スープや麺、辛さなどの選び方で156通りの組み合わせができるという。
看板メニューの「鹿沼辛麺」は、栃木しゃものひき肉を使ったスープに鹿沼産ニラなどを合わせる。このほか、「トマト辛麺」「味噌(みそ)辛麺」「白い辛麺」も用意。麺はもちもちとした食感の麺のほか、鹿沼産コンニャクを練り込んだ細麺を開発している。
サイドメニューには、コンニャク入りの皮を使った「わらべシウマイ」(480円)、肉そぼろ、ニラ、モヤシを合わせた「にらめし」(400円)、姉妹店「銀座コーヒー」の人気メニューをアレンジした「白いチャイぷりん」(350円)などをそろえる。
店舗奥には「銀座コーヒー」の焙煎(ばいせん)所を設け、客席からガラス越しに焙煎の様子を見ることができるようにする。建物は2階建てで、2階には事務所のほか、従業員用の休憩スペースを設ける。女性スタッフも多いことから、女性一人でも気軽に利用できる店づくりを目指すという。
店舗は築100年を超える建物をリノベーションした。かつて地域で親しまれた洋菓子店が営業していた建物で、店舗面積は約12坪。カウンター6席を含む20席を設ける。
今村さんは「素材にこだわりながら、体を温め、サウナ上がりのような『食べて整う』感覚で楽しんでもらえる店にしたい」と話す。
営業時間は、11時30分~14時30分、17時~21時。火曜・水曜定休。