
写真家・齋藤博美さんの写真展「魅惑のマクロ」が9月5日~8日、栃木県総合文化センター(宇都宮市本町)第2ギャラリーで開催された。
齋藤さんは栃木県を拠点に、個展や講演、写真クラブの指導、コンテスト審査など幅広く活動。地元での写真展は、高根沢町歴史民俗資料館特別展・個展「小さな大自然・自然界のハーモニー」以来13年ぶりとなる。
テーマは昆虫や花を中心に、近年はキノコの胞子や氷などへも広がっている。会場には、身近な被写体を独自の視点で切り取ったマクロ作品75点が並んだ。齋藤さんは「小さな被写体の中に大きな世界が広がっている。それを表現するのがマクロの魅力。現実に存在するが、まだ多くの人が見たことのない世界を紹介している」と話す。
展示の一つ「雪人」は、雪の造形を10メートル先から望遠レンズで撮影し、人の顔に見立てた作品。「森の妖精」と題されたヒトヨタケの作品はかわいらしいイメージを生かすため、小道具を使いカラフルな色合いの背景に。チューリップを素材にした作品では広角マクロレンズを駆使するなど、被写体に合わせて多様な手法を取り入れている。
来場した神山百合子さんは「自分も写真をやっていて先生の教室に通っていたが、マクロの世界はとても難しい。先生は深く研究されていて、こんな写真が撮れるのかと、いつも驚かされる。とてもまねできないほどで、ここまで手法を詳しく教えてくれる方はいない」と話し、じっくり作品を鑑賞していた。