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宇都宮で「大谷石」学ぶシリーズ講座-多彩な講師陣で魅力伝える

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宇都宮で「大谷石」学ぶシリーズ講座-多彩な講師陣で魅力伝える

大谷石造の「旧・大谷公会堂」(更田時蔵、1929年築)、撮影=橋本優子さん

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 宇都宮美術館(宇都宮市長岡町、TEL 028-643-0100)で現在、美術講座「大谷石の来し方と行方」が開かれている。

大谷石を一躍有名にした「旧・帝国ホテル ライト館」(フランク・ロイド・ライト、1923年築、愛知県犬山市「博物館明治村」に移築)、撮影=藤本信義さん

 宇都宮市の特産である「大谷石(おおやいし)」について、歴史、産業、建築、文化などさまざまな角度から魅力を深めようと企画された同講座。6月から11月にかけ5回シリーズで開かれ、各回の講師には民俗研究家、大谷石研究家、建築家、行政、美術館学芸員など、多彩な講師陣が名を連ねる。企画した同館学芸員の橋本優子さんは「これまでいろいろな形で大谷石の研究がされてきたが、今回のように各方面の講師陣によるまとまった講座はなかった」と話す。

 同市北西部の大谷町一帯で採掘される大谷石は、古くから建築資材として外壁や建物などに活用され、今なお街並みの中に残る「石蔵」には大谷石造が多く見られる。1923(大正12)年に建造した「旧・帝国ホテル」は、建築家のフランク・ロイド・ライトが大谷石を意匠材として採用したことでも知られる。

 同ホテルは同年9月1日に落成披露宴を予定していたが、その準備の最中に関東大震災に見舞われた。多くの建物が倒壊や火災で焼失する中、小規模な損傷で済んだという。「このことが、大谷石を世界的に広め、ほかの建築家が大谷石の使い方を知る機会となった」と橋本さん。

 その後の復興や発展の中で、多くの資材が必要となった東京に大谷石が輸送されたという。同時期に建てられた建物の多くに採用され、柔らかく加工しやすい特性から、モダンな建物の外壁を飾るデザインの一部としても使われている。

 同市でも「旧・大谷公会堂」「旧・宇都宮商工会議所」「宇都宮聖ヨハネ教会」などに大谷石が使われた。橋本さんは「大正から昭和初期にかけて、大谷石によって宇都宮の産業・経済・建築文化が花開いたのでは」と思いをはせる。

 「残念ながら市内では現在、大谷石の建物が少なくなってきている。文化的にも価値のある歴史的建造物はできる限り次世代に継承していくことが必要。若い世代がカフェとして利用するなど、街づくりの視点からも建物を残していければ」と期待を寄せる。「ぜひ、幅広い世代の人に講座を聴いていただき、街に出て大谷石の建物を見てもらいたい」と橋本さん。

 今後の講座予定は、第3回=9月28日、第4回=10月26日、第5回=11月23日。開講時間は、14時~16時15分。会場は、宇都宮美術館・講義室。定員は各回170人。参加は事前申し込み不要だが、開催中の企画展またはコレクション展の観覧チケット(半券でも可)が必要となる。

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