全国で唯一現存する電気機関車EF57型の一般公開を前に9月7日、「EF57-7号機保存会」のメンバーが清掃活動を行った。
当日は、同車両が静態保存されている宇都宮市駅東公園(宇都宮市元今泉5)に、同会会員を含む約40人が集まり、9時から約1時間半をかけ、車両を磨いたり周辺の草取りやごみを拾ったりして清掃活動を行った。同会の田野島透会長は「昨年は25人ほどだったが、今年は40人ほどが参加してくれた。遠くは静岡や東京からも駆け付けてくれた。会員外の人が多く参加してくれるのはありがたい」と話す。
EF57型の7号機として1942(昭和17)年に製造され、特急や急行をけん引し東海道線や上越線で活躍した同車両。その後1960(昭和35)年に宇都宮機関区(現宇都宮運転所)に配置され、東北線を走った。戦時下から戦後復興期にかけ陸上輸送を担い、1978(昭和53)年に廃車となるまでの36年間の総走行距離は約346万キロに及ぶ。
廃車と同時に当時の国鉄(現 JR東日本)から無償譲渡され、現在は同市魅力創造部文化都市推進課が管理している。保存場所にはフェンスがあるため外から見ることはできるが、普段は近くに寄ることはできない。年に一度、同課が主催する一般公開が、車両に触れたり運転台や機関室内部の見学をしたりすることができる唯一の機会となる。例年200人ほどの鉄道ファンや国鉄OBが訪れる公開日に先立ち、同会が清掃活動を行うのが恒例となっている。
田野島さんは「会員の高齢化が進んでいて活動を継続していくのも今後ますます難しくなっていく。清掃活動や一般公開を通して、一緒に活動を行ってくれるメンバーを広げていきたい」と話す。
一般公開は9月14日10時~14時に行う。