
次世代型路面電車(LRT)「ライトライン」を貸し切った多文化・多世代交流イベント「EXPO TRAIN 宇都宮ライトライン号」が3月8日、宇都宮ライトレール線(宇都宮駅東口~芳賀・高根沢工業団地、片道約50分)の車内で開催された。
同イベントは、今年開催の大阪・関西万博に関連し、昨年宇都宮で行われた「EXPO酒場」で挙げられたアイデアを基に、有志が「EXPO TRAIN 宇都宮ライトライン号実行委員会」を結成し、企画した。「自分たちの街を、自分たちで面白く」を合言葉に、多世代・多文化交流の場を設けた。
第1部(往路)では、「ライトライン号ファッションショー」を行い、多世代・多文化をテーマに、未就学児や小学生、高校生、社会人、シニア、ベトナムの民族衣装「アオザイ」を着たグループなど、思い思いのファッションに身を包んだ10組(計17人)が出演した。車内の観客22人が見守る中、それぞれの出演者が選んだ音楽を流しながら、車内のランウェーを2往復した。観客の拍手や声援に、出演者が笑顔を向け、観客と手を触れ合う場面もあった。
第2部(復路)では、「世代間交流交通GTT(ガチトークトラム)」を実施。「新成人」(おおむね20歳)7人と「倍成人」(おおむね40歳)5人が意見交換を行った。進行役も含めた4人1組のグループに分かれ、「今思っている不安」「夢」などをテーマに話し合った。
実行委員のメンバーの一人で大学生の馬場俊輔さんは「立場や世代を超えて創り上げることの大切さや面白さを感じた。さまざまな視点からのアドバイスを受け、これまでの自分が持ち得なかったことを知り、成長する大きなきっかけになったと思う」と話す。
ファッションショーに出演したタップダンサーの萩原真理子さんとピアニストの齋藤どらみさんは「LRTの車内という空間で、初めて会う方々とどう楽しむか、あるいはどうすれば楽しんでもらえるかを考えながら、ピアニカに合わせてLRT車内を踊りながら歌った。お客さまとの距離が近く、楽しそうな表情や反応がよく見えて楽しかった」と振り返る。
ファッションショーを子ども2人と観覧した高橋健悟さんは「アニメやゲームのキャラクターのコスプレを見て、子どもたちは大喜びだった。私にとっても海外の異文化に触れることができ、貴重な学びになった」と話していた。