栃木県立博物館(宇都宮市睦町)で現在、第143回企画展・人文系特別企画展「異常の色・形 時に思いが宿るもの」が開催されている。
同展は約5年前に開いた企画展「異界」をきっかけに発案されたもの。日常にあふれる色や形とは異なり、生命の誕生や死など「普段とは違う特別な時」に選ばれる色や形には深い意味があるのではないかと興味を抱いたことから、民俗担当学芸員の宮田妙子さんらが企画した。
会場は「色」「形」「超える」の3章で構成。赤ちゃんの魔よけや産着、神社やお堂に奉納されてきた鉄輪、土葬の時代に使われた霊きゅう車など、当時の生活や信仰を物語る資料を並べる。7年に1度・2日間だけ公開される御神像、山梨岡神社の一本足の神様「きのかみ神像」が「注目」だという。普段は目にすることができない貴重な像を今回、特別に展示する。
会場には、県博マスコットキャラクター・ミミヅク土偶の「みーたん」が描かれた専用紙にスタンプを押せるスタンプコーナーも設ける。宮田さんは「章ごとに『色』や『形』で分けており、当時の人々がどんな思いを込めて使っていたのか、その背景を知ることができる。全国各地から借りた資料も多く、一度に見られる貴重な機会。過去の企画展『異界』が好きだった人にも、ぜひ楽しんでいただければ」と来場を呼びかける。
開館時間は 10時~18時。月曜休館。入館料は、一般=260円、高校・大学生=120円、中学生以下無料。11月 24日まで。