
宇都宮高校(宇都宮市滝の原3)演劇部の第8回自主公演「成れない王の猿芝居」が6月15日、アトリエほんまる(宇都宮市本丸町)で行われた。
同作は、昨年の地区大会、県大会で上演したほか、今年の3月には同校の講堂で自主公演を行い、今回が4回目。1年~3年のキャストと音響・照明などのスタッフを全て同校生が務め、満員の観客を楽しませた。
インドの物語「ラーマーヤナ」を題材にした劇を上演することになった演劇部で、主役の王様を演じる高校生が主人公の同作。将棋の「王」にかけて、自分がその役にふさわしいのか、ふさわしくないのか悩み、何者にもなれない孤独のストーリー。
劇中劇には、ラーマーヤナの登場人物だけではなく、大航海時代にインド航路を開拓した「バスコ・ダ・ガマ」などが登場するほか、バリ島の郷土芸能である「ケチャ」を大勢で演じるシーンも盛り込んだ
脚本を手がけた部員の一人、丸田真平さんは「昨年7月から取り組んできた劇で、さまざまな要素が物語の根幹に作用するように心がけて作った。大勢のお客さまに喜んでもらえて良かった。公演は今回で最後になるが、自分が宇都宮高校の演劇を初めて見たのが3年前のアトリエほんまる公演『五月雨に棲む』だったので、今回ここで一つの節目を迎えることは感慨深い」と振り返る。
同部は、東京で8月27日・28日に開催される「第31回関東高校演劇サマーフェスティバルinシアター1010」への出場も決定している。