古書店「古本あるかな堂」(宇都宮市中央5)がミハシ通り沿い、宇都宮中央郵便局向かいにオープンして、12月20日で3カ月がたつ。
店名には「何か良いこと、あるかな」という思いを込めた。古い工場跡をDIYで整えた喫茶店の一角、約6坪の空間に店主・河本俊也さんがセレクトした古書を並べる。ワンオーナー本を中心に、長年収集してきた自前のコレクションをはじめ、近隣の古書店や図書館から仕入れた児童書、絵本、小説、文庫など約3000冊を販売。内装はプールをモチーフにデザインし、ブルーとホワイトで統一。家具は工場で使っていた棚や近所の閉店店舗から譲り受けたレトロ品を配置。壁際には読書用の椅子4席を設けた。
河本さんは「妻の実家は代々この場所で『クニトミ印刷』を営んでいたが、廃業後4年間はシャッターが閉じたままだった。東京の印刷会社で25年働いていたが退職し、4代目を継ぐタイミングで喫茶店『16coffee shop』の入店が決まり、小学1年生の頃からの夢だった古本屋を開いた」と話す。
「幼い頃から『本の虫』だった。古本探しは冒険であり宝探しのようなもの。本は人の思いをつなぐ記憶装置。読む人によって感想が違い、別の人に渡れば思いが引き継がれることもある。誰でも好きな本の話になると雄弁になる。老若男女問わず交流のきっかけになるし、話し好きになった。お客さまと会話しながら本を紹介するのが楽しい。この店で本に恩返しができれば」
「今後は絵本朗読会やアートイベントを開きたい。来年3月には音楽イベントも予定している。最近本を読まなくなった人や自分や家族に本を贈りたい人に利用してほしい。本を探す時間を楽しんでもらえたら」と話す。
営業時間は14時~19時。月曜定休。