栃木県立宇都宮東高校付属中学校(宇都宮市石井町)で9月18日、復興庁職員による「復興庁出前授業」が行われた。栃木県での開催は今回が初めて。
同授業は、東日本大震災からの復興状況や放射線量に関する基礎知識、復興に向けた今後の課題などについて若い世代に理解を深めてもらおうと、復興庁が2022年度から全国の中学校、高校で行っているもの。5年目となる本年度は9月~11月、全国7県7校で実施する予定。
県内初開催となった今回は、震災を体験していない同校の中学3年生97人が参加した。現在の中学3年生は、東日本大震災が発生した2011(平成23)年3月にはまだ生まれていない世代。
冒頭のあいさつでは復興庁参事官補佐の松井雅博さんから「復興庁の仕事の領域」について問いかける場面もあり、生徒が「全国各地で起きている災害の復興を支援しているのでは」と答えると、「復興庁は東日本大震災だけに限られた復興」など、松井さんと生徒が対話しながら理解を深めた。
授業では、松井さんが東日本大震災の概要や復興の現状、今後の課題などについて説明。その後、生徒がグループに分かれ、「福島の復興」をテーマに意見を交わし、グループごとに考えた内容を発表した。
グループワークでは、「復興の歩みと課題を国民に知ってもらうためには」「復興再生土の取り組み」「福島県産品の安全性の取り組み」からグループごとに選択し、意見を交換。「復興再生土で野菜を育て有名ブランドにする」「SNSを活用した『風評払拭キャンペーン』」などの意見が出され、6つのグループが発表した。
授業の終わりには、福島県産のナシが各生徒に手渡しで配布された。授業に参加した3年の足立陽飛さんは「被害の状況は小学校で学んだが、復興について今回学ぶ機会があって良かった。家族でもハザードマップを確認するなど防災対策をしていきたい」と話す。吉田華瑚さんは「震災は生まれる前のこと、違う地域で起きたことと感じていたが、現地を訪ねてもう一度考えてみたい」と話す。
授業を担当した松井さんは「今回は震災が生まれる前の生徒に対しての授業だったが、復興は現在進行形であることを知ってほしかった。自分事として考えてもらえたら」と期待を込める。
同校の水口ゆかり教頭は「触れたことのない『復興』について、まずは生徒が『知る』機会になったと思う。未来を担う一人として何ができるのかを真剣に考える生徒の姿が見られて頼もしく感じた」と振り返る。