宇都宮を拠点に活動する「キビタノ朗読会」が9月20日、「アトリエほんまる」(宇都宮市本丸町)で発表会「good wind takes you(風から聴いた物語)~心と心をつなぐドラマリーディング~」を開いた。
キビタノ朗読会は2016(平成28)年、宇都宮大学の公開講座「朗読講座」修了生が発足。当初は「厳しく楽しい朗読会」の名で活動を始め、2019年に現在の名称へ変更した。現在は東生涯学習センターを拠点に、年1回の公演や不定期の「リーディングカフェ」を行い、朗読の魅力を広げている。
当日のリハーサルでは、きっかけや場面の切り替え、本番での注意点を一つ一つ確認。立ち位置や声の出し方なども丁寧にチェックし、本番に備えた。
プログラム前半では、同会メンバー9人が安房直子作「あるジャム屋のはなし」をドラマリーディング形式で上演。登場人物や情景を役割分担しながら読み進め、物語を表現した。
指導と演出を務めた朗読家の秋元紀子さんは「一人一人にアドバイスすると全体が良くなっていく。声にはその人の人生が表れる。声を通して互いを認め合えるのもドラマリーディングの魅力の一つ。そして達成感があって楽しい」と話す。
後半は、秋元さん自身が出演し「花のにおう町」を朗読。ラジオドラマ出演や番組パーソナリティーとしても活動する秋元さんの豊かな表現に、会場に集まった約50人の参加者は静かに耳を傾けた。
来場した榊妙子さんは「情景が目に浮かぶすてきな朗読で、ワクワクしながら聴いていた。発表会後も作品の幻想的な物語の世界に浸っていた」と話していた。