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宇都宮城址公園で「戦災展」 市民寄贈資料や焼夷弾も展示

M47A2焼夷爆弾

M47A2焼夷爆弾

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 宇都宮城址公園(宇都宮市本丸町)清明館歴史展示室で現在、「うつのみや戦災展」が開かれている。

焼夷弾直撃で命を落とした少女が背負っていたリュックサック

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 同展は、宇都宮空襲の記録を後世に残そうと、当時の増山道保市長の意向を受けて1999(平成11)年、2000(平成12)年に「戦災記録保存事業」が実施されたことを契機に、2001(平成13)年から毎年開催され、今年で25回目を迎える。

 会場では、宇都宮空襲の概要を伝えるパネルや、戦災記録保存事業からこれまでに収集された写真・資料など約50点を展示。市民から寄贈された資料も多く、企画展ではパラオ諸島・ペリリュー島で戦死した宇都宮出身兵士が家族に宛てた手紙や、宇都宮空襲の被災時刻に関する重要な手がかりが記載された旧宇都宮刑務所の戦前のアルバムなどが並ぶ。

 宇都宮空襲で投下されたM47A2焼夷(しょうい)爆弾やM69小型焼夷弾、焼夷弾直撃で命を落とした少女が背負っていたリュックサックなども公開。「宇都宮空襲の記録 未来へつなぐ」「米軍のガンカメラによる空襲の様子」と題した映像も上映されている。

 県外から立ち寄った河村佳子さんは「ぐっとくるものがある。この時代に生きていたら心を壊さずに生きていけたかどうか分からない」と話していた。

 宇都宮市文化都市推進課の大塚雅之さんは「ここへ来て、初めて宇都宮に空襲があったと知る人もいる。毎年8月にマスコミが平和や戦争に関する特集をする。戦争のことを考える機会は年に一度かもしれないが、戦争のことを考えるきっかけとなる。戦争の事は次の世代に伝えていかなければならない」と話す。

 開館時間は9時~17時。入館無料。8月31日まで。

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