
染織工芸家・石井和華子さんの「タイバティック展」が6月28日から、ミライト一条(宇都宮市一条1)賑(にぎ)わいゾーン・市民ギャラリーで行われている。
バティックは東南アジアのろうけつ染めのことで、ろうを溶かして布に模様を描き、その上から染料で染めることで模様を表現する技法。その技術と日本画の技法を合わせて作られた作品と、ろう、チャンチン(専用の道具)、染料、染色の解説なども展示している。
日本画を勉強していた石井さんだが、夫の仕事のためバンコクに住んでいた時、バティックの魅力に魅せられ、日本に戻ってからも作品を作り続けている。石井さんは「鮮やかな色とろうで模様を描いていく作業が楽しくて夢中になった。日本画より手軽にでき、作品を普段使いできるのが自分に合っている」と話す。
展示している「のれん」には、タイで健康と子孫繁栄の象徴とされる川魚「プラータピアン」を梅の花と共に描いた。「Flower Journey」の作品には、タイの花々と共にヒンズー教の神が乗る聖鳥「ホング」を船首に持つスパンナホン御座船(タイの国王が乗船する船)が、「タイの王様の船のようにすてきな私たちが、ますます華やかな人生の旅に出られるように」との思いを込めて染められている。
石井さんは「鮮やかなものを見ると人は心が明るくなる。立ち止まり、展示を見て、少しでも楽しい気持ちになってもらえたら」と来場を呼びかける。
開催時間は9時30分~21時30分。観覧無料。7月17日まで。