
宇都宮市在住で陶芸工房「アトリエ陶遊舎」(宇都宮市大谷町)を持つ陶芸美術家・谷口勇三さんの個展「谷口勇三・陶と平面展-痕跡から作品への臨界譜-」が6月17日~27日、ギャラリー・イン・ザ・ブルー(東宿郷3)で開催された。
会場には緑釉(りょくゆう)を使って焼かれた、「谷口グリーン」と呼ばれる谷口さんを象徴する透明感のある陶含め約40点が展示された。
谷口さんは「谷口グリーンは3種の土と焼き方、温度がぴったり合わないと出ない色。この透明感のあるガラス質の緑釉は作品の表面に何度も薄く塗り重ねて、焼いても細かい跡が表現できる」と話す。
「この広い世界、分類しにくいものが多く、ほとんどの物がそこの曖昧な部分『臨界譜』に入っている。建築資材のベニヤという素材を削り色付けしていくと表現を持つ作品になる、これも『臨界譜』」と、作品の「地表からの臨界譜」を示してこう説明する。
ほかにも中心部分をグリーンの陶で形作り、その周囲の陶と木との境界を焦がした作品「アシュラ(臨界譜)」、「バベル(臨界譜)」、「ゴジラ(臨界譜)」も展示した。
谷口さんは「アートは生活の目的とは違うが、生きることに位置づけられる。作品を通してそれを意識してほしいし、感じてほしい。そうすると感じることをすてきと思えるようになる」と呼びかける。