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元アイスホッケー選手発案のごみ拾い活動、宇都宮市が支援開始

市民主体のごみ拾い活動を始めた坂田駿さん

市民主体のごみ拾い活動を始めた坂田駿さん

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 プロアイスホッケーチーム「日光アイスバックス」元選手の坂田駿さんが立ち上げた市民主体のごみ拾い活動の支援を宇都宮市が始めた。

「坂田駿さんのごみ拾い活動」分別作業の様子

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 坂田さんは現役時代から、散歩やランニングを日課としてきた。その中で街に落ちているごみが自然と目に入り、気づいたときに拾うようになったという。「特別なことではなく、見かけたら拾う。それを続けていただけ」と振り返る。

 最初は一人でのスタートだった。いつも通っている理髪店の理容師の男性が活動に賛同し、3人になった。5月から定期的な活動として継続するようになり、毎週月曜にルーティンとして取り組んでいる。現在は朝5時30分に集合。夏場は気温が上がる前の時間帯に合わせ、朝5時ごろにスタートしていたという。いずれも約1時間かけて、東武宇都宮駅周辺から二荒山神社周辺までの区間を清掃している。活動は口コミやSNS、人づての縁を通じて徐々に広がり、開始から半年で参加者は56人に増えた。

 宇都宮市から清掃活動への支援として、45リットル(70枚)と70リットル(30枚)のごみ袋月100枚を支給するほか、軍手40組、トング10本を11月26日に初めて貸し出した。毎月末に資材を返却し、回収量や活動内容を集計・報告する仕組みを導入。活動の実態が記録として残るようにした。

 これにより市との連携が見える形となり、活動の成果を参加者同士で共有できるようになった。参加者は小学生から70代まで幅広く、男性が約9割、女性が約1割を占める。坂田さんは「参加している人たちは本当に面白い人が多い」と話す。

 清掃活動に加え、参加者同士で栃木SCの試合を観戦するなど、街を楽しむ時間を共有する動きも生まれている。ごみ拾いを通してコミュニティーを育み、地域のためになる活動を続けることで、今後は参加者100人規模への拡大を目標に掲げる。

 坂田さんが目指すのは、市や県を動かすことだけではない。「市民一人一人が街を意識することが大切。宇都宮市の約50万人が仲間になれば、ごみは街からなくなる」と力を込める。

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