ゲストハウス「花ニ嵐(はなにあらし)」(宇都宮市今泉2)が11月28日、宇都宮駅西口近くにオープンした。
運営するのは若林千夏さん。アメリカやカナダで約7年間暮らし、アジア各地を旅する中で、世界中の人々と交流を重ねてきた。海外での生活や旅の経験を通じて「今度はホストとして人を迎え入れたい」という思いが芽生え、ゲストハウス開業を志したという。
開業の背景には、3年前に亡くなった母の存在もある。母は生前、「好きなことをやって、自由に生きてほしい」という言葉を残しており、そのメッセージが背中を押した。次女の留学に合わせて再びカナダに渡り、帰国後、かねて念願だったゲストハウス開業に踏み切った。
店名の「花ニ嵐」は、母が大切にしていたびょうぶに書かれていた中国の文章を、小説家・井伏鱒二が翻訳した際に生まれた一節「花に嵐のたとえもあるぞ、さよならだけが人生だ」から引用したもの。長男の提案もあり、この言葉を屋号に選んだという。
客室は1階に1室、2階に3室を備え、2人部屋を中心に最大18人が宿泊可能。リビング、キッチン、浴室は共用とし、宿泊者同士が自然に交流できる空間づくりを意識した。若林さん自身も宿に滞在し、宿泊客の輪に加わるスタイルを取る。
若林さんは「非対面が主流になり、人と話さなくても生活できる時代だが、あえて不便な方を選びたいと思っている。人と人とのつながりを大切にし、家のようなぬくもりを感じられる宿が宇都宮にあってもいいのでは。気軽に訪ねてほしい」と話す。
宿泊料金は6,000円~。