パリオリンピック・パラリンピック開催時期と重なるこの時期、現在、ベル・エポックをテーマにした企画展「美しき時代 パリに集った芸術家たち」が現在、栃木県立美術館(宇都宮市桜4)で開催されている。
19世紀末から20世紀初頭にかけ、パリが芸術的に華やいだ時代は「ベル・エポック」と呼ばれ、パリでは絵画や工芸ばかりでなく、舞台、音楽、文学、ファッションなど、さまざまな分野の芸術文化が開花した。
今回の展示はこの時代を舞台にした映画「ディリリとパリの時間旅行」(2018年)に触発された学芸員が企画し、映画で活躍した芸術家を盛り込んだ形で構成したという。
多様な当時のパリの文化を4つの章でまとめ、展示総数は約280点。作品にはパリの街を彩ったジュール・シェレやアンリ・ド・トゥールーズ=ロートレックたちの華やかなポスター、道行く女性が身に着けたドレスやアクセサリー、生活に彩りを加える工芸品、作家や科学者の自筆原稿、書簡と多岐にわたり、絵画作品と合わせ当時のパリの光と影を感じることができるよう工夫する。
ベル・エポック期は女性が活躍をし始めた時代でもあり、当時のサロンを再現したコーナーやフランス国内だけでなく世界で人気となった女優サラ・ベルナールが舞台で着用した冠も展示。
同館学芸員の大城茉里恵さんは「フランスが最も華やいだ時代、絵画だけでなく民衆のアートも時間旅行をするような気分で楽しんでいただければ」と話す。
開館時間は9時30分~17時00分。月曜休館。入館料は、一般=1,200円、大高生=600円、中・小学生以下無料。9月8日まで。