宇都宮美術館(宇都宮市長岡町)で現在、企画展「コスチュームジュエリー 美の変革者たち」が開催されている。
同展では、約40年にわたりコスチュームジュエリーを収集してきた研究家・専門家の小瀧千佐子さんのコレクションからセレクトした作品約400点を展示している。
「コスチュームジュエリー」は貴金属や宝石を用いることなく、合金、銀、ガラスや半貴石で作られたもの。「貴金属や宝石という高価な素材ではないからこそ、自由な発想と職人の高い技術力が際立つ」という。
会場は3章から成り、第1章「美の変革者たち」では、コルセットから女性を解放し、コスチュームジュエリーの先駆者とされるポール・ポワレのタコがモチーフで青いガラスビーズで飾られた「夜会用マスク、ブレスレット『深海』」の展示で始まり、シャネル、スキャパレッリ、クリスチャン・ディオールの作品へと続く。シャネルのスーツと同ブランドのコスチュームジュエリーとのコーディネート展示も見どころだという。
第2章「躍進した様式美」では、ベネチアのガラスビーズを好んで使ったリダ・コッポラや、優れた鋳造技術で作品を生み出したリーン・ヴォートランなど、「斬新な造形力を持つ工房のデザイナー」たちにも光を当てる。
第3章「新世界のマスプロダクション」では、ミリアム・ハスケルやトリファリをはじめ、より自由でユニークな発展を遂げたアメリカのコスチュームジュエリーを並べる。素材にフェルトや木の化石、ドングリのかさを使ったものが並ぶ。
同館学芸員の石井利香さんは「コスチュームジュエリーに特化した珍しい展示。気軽な気持ちでお気に入りを見つけに来てほしい」と呼びかける。
開館時間は9時30分~17時。月曜休館。観覧料は一般1,000円ほか。12月15日まで。