観世流能楽師の林本大さんが手がける講座シリーズ「能meets(ミーツ)」が10月7日、栃木県総合文化センター(宇都宮市本町)古典芸能練習室で開催される。主催は大の会。
能meetsは「能の未来」のため、600年続いてきた能を「分かりにくいからこそ面白い能の分かりやすくて濃密な講座」をモットーに、林本さんが全国を回り、能の魅力を発信し続けている講座。
歴史や初歩的な話、世阿弥の教え(「風姿花伝」解説)、能面や能装束の紹介、実演を交えた曲の解説のほか、時には体験など参加者や主催者のニーズに応えた多岐にわたる内容で講座を開いている。
能meets宇都宮は2022年4月に初開催して以来、回を重ねるごとに参加者が増えており、前回開催された「装束」の会は、希望者の中から実際に能装束の着付けを行い、楽屋での決まり事など普段は聞けない情報も交えて講演した。
今回、宇都宮で初となる昼夜2講座を開く。昼の部は能の演出家ともいわれる能面の話を、実物を見て感じてもらう講座で、希望する人には能面体験も。夜の部は実演を交えながら、悲劇の名曲「隅田川」を丸ごと1曲解説。能のルールや基礎、表現方法なども紹介する。
宇都宮事務局の板橋薔薇之介さんは「普段演劇をやって惑っている方には、演劇の根本から見直すことで、より良い演劇を学べる場として。能や演劇に興味のない方は、楽しい先生のおしゃべりと実演の差を感じ取っていただきたい。初心者歓迎なので、この機会に能の奥深い世界に触れていただければ」と呼びかける。
会場となる同室は所作舞台や松羽目ドロップもある練習室で、本格的な会場で講座を体験できる。開催時間は14時30分~と19時30分~。料金は2,000円。