カフェ「理科室蒸留所UTSUNOMIYA」(宇都宮市西3)が8月8日、宇都宮・もみじ通りにオープンした。2018(平成30)年3月にオープンした「理科室蒸留所清澄白河店」(東京都江東区)に次ぐ2店舗目となる同店。科学機器専門商社「ローラン」(問屋町)が経営する。
実験用のガラス製品「理化学ガラス」の製造・販売を行う理化学専門の関谷理化(東京都中央区)は、少子化や機械化などで職人の仕事が少なくなってきたことから、理化学ガラス職人の新たな仕事を創造するプロジェクト「リカシツ、理化学ガラス職人の作った水出し装置でドリンクを提供する「理科室蒸留所」、オリジナルのツブロ式蒸留器でクラフトジンを製造する「深川蒸留所」の3つのアンテナショップを清澄白河で展開。宇都宮の新店では、その3つのコンセプトをワンパッケージで展開する。
宇都宮への出店は、ローラン社長の羽石和樹さんが関谷理化の関谷幸樹社長と修業先の先輩後輩の間柄だったこと、ローランの東京営業所が清澄白河から近い場所にあったことなどの縁から決まった。出店場所については、もみじ通りが、元々武家屋敷街で商店街ではなく所々に店が点在し、リノベーションによる店が多いなど、清澄白河の初期の頃の雰囲気に近いことが決め手になったという。隣には「もみじ図書館」があり、図書室と理科室が隣り合わせに並ぶ。
席数は6席。店内には学校の理科の授業で使ったことのあるビーカーや試験管、フラスコなどがずらりと並び、まさに理科室のイメージで展開。懐かしさとともに、インテリアや日用雑貨としての新たな使い方を提案する。壁一面を占めている実験装置のような理化学器材を使った水出しコーヒーの抽出機で6~8時間かけて、じっくり抽出する。
メニューは、ガラス職人の技術で作られたガラス雑貨・理化学器材で時間をかけて抽出した水出しコーヒー(600円)や、耐熱ガラス製のオリジナル蒸留器で醸造されたクラフトジン(1000円)などを提供する。
オープンに当たり、羽石さんは「大人になると、理科の実験をする機会がなくなってしまうが、こういう場で理科に触れることで、子どもから大人まで理科の新たな魅力に気づいてほしい。子どもの理科離れもなくなるのでは」と期待を込める。
今後は家庭用蒸留器「リカロマ」を使った蒸留ワークショップや理科実験器材を使ったワークショップなども開いていくという。
営業時間は11時~17時。