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「ご飯にかけるしもつかれ」 栃木県内の学生らが開発、郷土料理を誇りに

開発した大学生

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 栃木県内の大学生、とちぎユースサポーターズネットワーク、ユーユーワールド、しもつかれブランド会議、Cooking & Glowが共同で開発した「ご飯にかけるしもつかれ」の販売が2月上旬に始まる。

「ご飯にかけるしもつかれ」商品

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 「しもつかれ」は正月に食べた塩引きサケの頭や、節分にいった福豆の残りの大豆などを使った料理で、旧暦2月初午(はつうま)の時に稲荷神社へのお供えとして作られ始めた、1000年の歴史を持つ栃木県の代表的な郷土料理。それぞれの家庭で作り方や味付けによる味の違いを楽しむことができる料理として愛されてきた反面、味や見た目の印象から、苦手意識やマイナスイメージを持っている人も少なくない。

 県民が「しもつかれ」を誇りに思っていない現状を変えたいという思いから、昨年5月に商品開発が始まった。開発を手がけたのは県内の大学に通う有志の大学生。2023年に開催された県の150周年を記念する若者未来デザイン事業「ミライらぼ」で、とちぎの将来像を描くための活動を通して「しもつかれ」の開発に取り組んだ。

 開発に当たり、「まずはたくさんの人に食べてほしい」という思いから、酒かすの量を少なくすることで、初心者や酒かすの香りが苦手な人でも食べやすくした。一般的に使われるサケではなく、ヤシオマスを材料に使うことで魚の生臭さを改善。課題である見た目の悪さを改善するためにヤシオマスの骨や皮を丁寧に取り除き、大豆は炒らずに水煮に、ニンジンを多く配合することで色鮮やかで食欲をそそる色合いにするなど、さまざまな工夫を凝らした。

 開発に当たった宇都宮大学地域デザイン科学部の石井優衣さんは「しもつかれを作ったことがある学生が誰もいなかったので、しもつかれブランド会議の青柳さんに『しもつかれ』を作る名人を紹介してもらい、作り方を教わるところからの挑戦だったので本当に大変だった。大豆の苦み成分を消すのが難しく、大学で食育を研究している先生からアドバイスをもらった。5月から取り組んだが、十数回の試作を経て1月にやっと最終的な味になった」と振り返る。

 「ご飯にかけるしもつかれ」は初午の時期でもある2月上旬からの販売を目指している。商品の特徴として、材料は全て県産材料を使い、保存料も使っていない。石井さんは「瓶のラベルも本県出身の大学生がデザインしている。しもつかれファンの方はもちろん、瓶詰めは持ち運びやすく、半年間もつので、栃木の土産の定番商品になれば。県民全員が誇りに思える料理の一つの形として、当たり前のようで新しい『ご飯にかけるしもつかれ』の可能性に注目してほしい」と意欲を見せる。

 価格は660円。今後、しもつかれブランド会議主催のイベントや栃木県内の協力店で扱う予定。

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