栃木県立博物館(宇都宮市睦町)で現在、第144回企画展「新しくやってきた標本たち~集めて、守って、活(い)かす~」が開催されている。
同館は自然系と人文系を併せ持つ総合博物館で、1982(昭和57)年の開館以来、県民の協力を得ながら資料を収集してきた。2026年3月現在の収蔵資料数は79万点を超え、このうち自然系資料は約75万点に上る。
同展では、この5年ほどの間に新たに収蔵された標本を中心に紹介。キノコの一種「バカマツタケ」の23年ぶりの標本や、2025年に真岡市で県内初確認された昆虫「コアカザトウムシ」、2023年に新種認定された「シモツケヒラアシキバチ」、2025年に益子町で見つかった「ルイスホソカタムシ」など、最新の研究成果を反映した資料を並べる。
会場では、実物から資料化したものを「標本」と呼び、レプリカ(複製品)や模型との違いについても紹介。「博物館への疑問」をテーマにした解説展示も行い、理解を深める工夫を凝らす。
全長約3メートルのホッキョクグマの剥製など大型標本も目を引くほか、「デンジソウ」の押し葉標本など学校の理科室から寄贈された資料、セイウチ類の犬歯化石などを通して、「栃木にもかつて海があった」ことを伝える展示も行う。
展示は「収集」「保存」「活用」の3章で構成。これらの活動が学芸員だけでなく、ボランティアをはじめとする多くの協力によって支えられている点も紹介する。
同館学芸部自然課主任研究員の吉田貴洋さんは「普段展示していない標本も多く、ホッキョクグマやトラは今回が初展示。小さな標本も含めて多様な資料が並ぶので、ぜひ会場で実際に見てほしい」と来館を呼びかける。会期中、学芸員による展示解説や収蔵庫ガイドなどの関連イベントも予定する。
開館時間は9時30分~17時(入館は16時30分まで)。月曜休館(祝日、6月15日を除く)。入館料は一般260円ほか。6月15日まで。