宇都宮美術館(宇都宮市長岡町)で2月21日、企画展「北條正庸 風の旅」の関連イベントとして、画家・北條正庸さんによるアーティスト・トークが開催された。
北條さんは、故郷の宇都宮でたゆまぬ制作活動を続けてきた画家。伝統的な日本画の技法を基盤としながら、時代とともに画風を変化させ、多様な表現を展開してきた。また、画題には「風」という言葉がたびたび用いられており、どの時代においても鳥や空といった風を連想させるモチーフも多く登場する。同展では、学生時代の作品から新作まで約100点を時代ごとに展示している。
同館学芸員の前村文博さんによると、アーティスト・トークは「北條さんは宇都宮ゆかりの作家であり、作品について直接話を聞きたい来場者が多いのではないか」との思いから企画されたという。
当日、北條さんは展示室を巡りながら、制作背景や当時の心境、作品に込めた思いとともに、同展のために描いた新作について語った。
学生時代の作品を前に、「秋に向けての寂しさを描いたつもりの作品に『6月の暑苦しさがいい』と言われた。受け止め方は人それぞれで、絵を描くとはそういうことだと知った。これが今につながっている」。風の形を提示した作品の所では「この時代、風を決めるのは重要と考えていた。風に対する憧れが多少あったと思う」など印象的なエピソードを明かした。
参加した大橋智江さんは「絵に関する話を聞け、わくわくして見ていた。北條さんの娘さんが、私の娘の絵の先生で、お嬢さんたちが絵の中に登場しているのを見るのは不思議な感じがした。家族でまた見に来ようと思う」と話す。
トーク終了後には、参加者が次々と個別に北條さんの元を訪れて質問する姿が見られた。
開館時間は9時30分~17時。入館料は、一般=1,000円、大学生・高校生=800円、中学生・小学生=600円。アーティスト・トークは2月28日、3月28日にも予定。各日14時から。3月29日まで。